(200?年くらいの書きかけ放置のチラ裏)

東野圭吾のSF作品の中では、アイディアにしろ話にしろ『虹を操る少年』が一番ジャンルSFしていると思う。 表紙の絵的にジョブナイルを念頭に置いているようだし。 ただ、他のSF作家の、同様な新人類譚にあるようなラストの飛躍(風呂敷広げ)があまりなくて個人的には物足りなく感じるけれども。

コレ以外にも東野圭吾のSF作品は、 『パラレルワールド・ラブストーリー』 『変身』 あたりを筆頭に(『時生』とか『秘密』とか)ちょこちょこあるけれど、 どれも(最初に)提示した設定のその世界の中での人々の営みの一定期間を切り取った形になっていて、 ラストで世界が飛躍するような、世界が大きく変容する様をみせる話はほぼない。
どの作品も 扱ったSF系テーマ/問の解決例(気持ちよく読者をよろこばせるような答え)を出さず、問の延長の未来を読者に委ねているようにも思えるので、スタンスなのかも。

また、科学ネタや現代テクノロジーを扱った作品(『探偵ガリレオ』とか『天空の蜂』とか)あり、 いわゆるSFではないけれど、それに近いテイストが感じられることもあって、
  “空想”のつかない 科学小説
を意識的にやっているのでは、という気もするのだけど、どうなんだろう。


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