あとできちっと書こうと思っていたけれど日がたちすぎて 色々わすれてる……やっぱすぐかかないと駄目ですね^^;
とりあえず、覚えていることをメモ。

 面白い作品は、時間を忘れてどんどん詠み進んじゃうもんなんだけれど、 この作品はさらに、特に前半に関しては、ちょっと読んでは ため息、ちょっとよんではため息、と心にズンと来た作品。 ラストのやるせなさや、二人の内面を描かないという手法ゆえ 多少人に勧めやすくはない作品だけれども、 東野作品では一番のお気に入りかも(というか、 今まで読んだ話のなかでかなりのお気に入り)。

初っ端が、大阪の、それも多少は行った事のある、布施や今里周辺が 舞台ってのもあるし、流れる時代の背景が自分の記憶にシンクロして しまうせいもあるかもしれない。

 とくにコンピューターに絡んだ事柄が大きい。
 はじめてプログラミングしたときの気分というものを 東野圭吾は知ってはる。

彼がゲームで遊ぶとき、二つの楽しみがある。 一つはゲーム本来の楽しみで、もう一つは改造の楽しみだった。 遊びながら、さらに楽しめるアイデアを探すのである。 これはというアイデアが浮かんだ時には、ゲームを中断し、 早速プログラムの改良に着手する。最初は単純だった ゲームを次第に複雑化させていく過程には、生き物を育てているような 喜びがあった。
思わず長いけれど引用しちまった。 しかも智彦の作っていたゲームの題は映画を題材にして 「WEST WORLD」。この映画に対する思い入れなんかもあるので 余計にマイってしまう。
70後半〜80年代前半マイコン・ブームのころに魅入られた少年 だったんだろうか(あるいは親友がいたのか)。 桐原、智彦たちの山師のようなソフト販売(「無限企画」)なり上がりや、 プログラムに対する著作権が認められた時期の反応、 真保裕一「強奪」を連想させられる偽造キャッシュ、 パソコンショップ/コピーソフト、などの題材も心地よい。

 なにより、この時期の、桐原の、智彦に対する接し方、友情が いい感じに思う。おろかな女性に対しては冷たかったけれど、 智彦に対しては何かと面倒をみるし、別れ際は智彦には言を添えてから 行方不明になる。桐原の不器用な優しさが出てる。

 桐原のような、筋を通しカッコよく生きようとする少年 は、たまにいるもので(といっても行き過ぎなのはいないけれど^^;) 、そういう少年の側にいる弱い智彦に(内面が描かれるせいもあって) 同調しやすい。智彦が桐原を裏切らない、ってのもよいしね。

あと、大学(院)生6人が作った「サブマリン」というゲーム、 「マリン・クラッシュ」と言う名前は覚えがないけれど 「サブマリン」いうなのゲームはいくつかあったのを 思い出し、なにか余計な邪推をしてしまいそう。


(と、かいてて、力尽きたので、中断。気力があれば後日追記予定.て、いつになるやら)。

2000-09-26

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