GNU 一般公衆利用許諾書 (GNU General Public License)

GNU 一般公衆利用許諾書 (GNU General Public License);
バージョン3、2007年6月29日
日本語訳、2007年9月5日

Copyright (C) 2007 Free Software Foundation, Inc. <http://fsf.org/>

Everyone is permitted to copy and distribute verbatim copies of this license document, but changing it is not allowed.

(訳: 本ライセンス文書を、一字一句忠実に複製、頒布することは許可する。し かし変更は認めない。)

This is an unofficial translation of the GNU General Public License into Japanese. It was not published by the Free Software Foundation, and does not legally state the distribution terms for software that uses the GNU GPL--only the original English text of the GNU GPL does that. However, we hope that this translation will help Japanese speakers understand the GNU GPL better.

(訳: 以下はGNU General Public Licenseの非公式な日本語訳です。これはフリーソフトウェア財団 (Free Software Foundation)によって正式に発表されたものではなく、GNU GPLが適用されたソ フトウェアの頒布条件を法的に有効な形で述べたものではありません。頒布条 件としては、GNU GPLの英語版テキストで指定されているもののみが有効です。 しかしながら、私たちはこの翻訳が、日本語を使用する人々にとってGNU GPLを より良く理解する助けとなることを望んでいます。)

翻訳は八田真行 <mhatta (at) gnu (dot) org>が行った。原文はhttp://www.gnu.org/licenses/gpl-3.0.html である。誤訳の指摘や訳の改善案を歓迎する。なお、日本語訳の利用条件は原 文に準ずる。

日本語訳を用意するに当たっては、独立行政法人 情報処理推進機構 (IPA)の支援を得た。

はじめに

GNU 一般公衆利用許諾書は、ソフトウェアやその他の種類の著作物のための、 フリーかつコピーレフトを主張するライセンスです。

ソフトウェアやその他の実用的著作物向けのライセンスの大半は、あなたから 著作物を共有したり変更したりする自由を奪い去るよう設計されています。そ れらとは対照的に、GNU 一般公衆利用許諾書は、あなたに対してあるプログラ ムの全てのバージョンを共有、変更する自由を保証すること、すなわち、その ソフトウェアがそのユーザすべてにとってフリーでありつづけることを保証す ることを目的としています。私たちフリーソフトウェア財団(Free Software Foundation)は、GNU 一般公衆利用許諾書を私たちのソフトウェアの大半に適用 しています。その作者が私たちと同様の方法で公開するならば、他のいかなる 著作物にも適用することが可能です。もちろん、あなたのプログラムにも適用 することができます。

私たちがフリーソフトウェアについて語るとき、私たちは自由について言及し ているのであって、価格は問題にしていません。私たちが用意した一般公衆利 用許諾書の数々は、フリーソフトウェアのコピーを頒布する(そして希望によっ ては頒布に際して手数料を要求する)自由をあなたに保証すべく設計されていま す。すなわち、ソースコードを受領するか、望めばそれを手に入れられるとい うこと、ソフトウェアを変更し、その一部を新たなフリープログラムで利用す ることができるということ、そしてこうしたことが可能であることをあなたが 知っているということが保証されるのです。

(訳注: GNU GPL以外の一般公衆利用許諾書として、GNU AGPLとGNU LGPLが用意され ている。)

あなたの権利を守るため、私たちは誰か他人が上記のようなあなたの権利を否 定したり、権利を放棄するように求めることを防ぐ必要があります。そこで、 あなたがソフトウェアのコピーを頒布したり改変したりする場合、あなたには ある種の責任が発生します。それは、他人の自由を尊重するという責任です。

たとえば、本許諾書が適用されたプログラムのコピーをあなたが頒布する場合、 それが無料であろうと手数料を取る場合であろうと、あなたは受領者たちに、 あなた自身が受け取ったのと同じ自由を渡さなければなりません。あなたは、 彼らもまた、ソースコードを受領するか後に得られることを保証しなければな りません。そしてあなたは、彼らに本許諾書の条項を示し、彼らの権利につい て彼らに知らしめなければなりません。

GNU GPLを利用する開発者は、あなたの権利を2段階の手順を踏んで守ります。 その手順とは、(1) ソフトウェアに著作権を主張し、(2) あなたに本許諾書を 提示して、ソフトウェアを複製、頒布、または改変する法的な許可を与える、 というものです。

開発者や作者を守るため、GPLでは、このフリーソフトウェアには何の保証もな いということを明確に説明しています。ユーザと開発者両方の便宜のため、 GPLでは改変されたバージョンには変更された旨を印づけるよう要求しており、 改変されたバージョンの問題が、誤って以前のバージョンの作者に帰せられる ことがないようにしています。

一部の機器は、それらに収録されたソフトウェアを改変した上で再びインストー ルしたり、実行したりするために必要なアクセスを、製造者には拒否しないに もかわらずユーザに対しては拒否するよう設計されています。これは、ユーザ が自らの有するソフトウェアを変更する自由を守るというGPLの目的とは、根本 的に相容れません。このような技術の濫用は、往々にして個人使用向けの製品 の分野で見られるものですが、まさにこのような分野こそ、こうした慣行が最 も容認しがたいものとなるのです。そこで私たちは、このバージョンのGPLを、 そうした製品においてこの種の慣行を禁止するように設計しました。もし同種 の問題が他の領域にまで相当程度広がってきた場合には、私たちはユーザの自 由を守るためのに必要とされるだけ、GPLの将来のバージョンにおいてこの規定 をそうした領域にも拡大すべく準備を整えています。

最後に、すべてのプログラムはソフトウェア特許によって絶え間なく脅かされ ています。およそ国家は、特許が汎用コンピュータにおけるソフトウェアの開 発と利用を制限することを認めるべきではありません。しかし、そういったこ とを認めてしまっている地域においては、私たちは、特許がフリーなプログラ ムに適用され、実質的にプログラムがプロプライエタリにされてしまうという 特別な脅威を避けたいと思います。こうした事態を防ぐために、GPLでは、プロ グラムを非フリーとするために特許を使うことはできないということを保証し ます。

(訳注: 本許諾書で「プロプライエタリ (proprietary)」とは、ソフトウェアの 利用や再頒布、改変が禁止されているか、許可を得ることが必要とされている か、あるいは厳しい制限が課せられていて自由にそうすることが事実上できな くなっている状態のことを指す。詳しくはhttp://www.gnu.org/philosophy/categories.ja.html#ProprietarySoftware をを参照せよ。)

複製、頒布、改変に関する正確な利用条件は以下で述べていきます。

利用条件 (TERMS AND CONDITIONS)

0. 定義

「本許諾書」(The License)とは、GNU 一般公衆利用許諾書のバージョン3を指 す。

「『コピーライト』」(Copyright)とは、いわゆる著作権のみならず、半導体マ スクのようなその他の作品に適用される、著作権に類似した法的権利をも意味 する。

(訳注: この規定により、本許諾書は著作権法で保護されたいわゆる「著作物」 よりも広い範囲をカバーすることになる。よってこの訳のライセンス本文中に おいては、work(s)に「著作物」ではなく「作品」という訳語を宛てることにし た。)

「『プログラム』」(The Program)とは、本許諾書の下でライセンスされた、 『コピーライト』が主張可能な作品すべてを意味する。個々のライセンシーは 「あなた」として表現される。ライセンシーは個人でも組織でも構わない。

ある作品の「改変」(modify)とは、その作品の全体ないし一部を、『コピーラ イト』の許可を必要とするようなやり方で複製ないし翻案することを意味する。 ただし、完全に同一なコピーを作成する場合は除く。改変の結果出来た作品は、 以前の作品の「改変されたバージョン」(modified version)、または、以前の 作品を「基にした」(based on)作品と呼ばれる。

「『保護された作品』」(covered work)とは、改変されていない『プログラム』 か、『プログラム』を基にした作品のいずれかを指す。

ある作品の「普及」(propagate)とは、コンピュータ上で実行すること、または 私的なコピーを改変することを除き、適用可能な『コピーライト』法規の下で 許可無く行うと、権利侵害として、直接的、あるいは間接的にあなたが責任を 問われる何らかの行為を意味する。普及には、複製、頒布(改変の有無を問わな い)、公衆への利用可能化が含まれ、またいくつかの国々では他の活動も含まれ る可能性がある。

ある作品の「伝達」(convey)とは、第三者がコピーを作成ないし受領するのを 可能とする普及行為すべてを意味する。ただし、コンピュータネットワーク越 しにユーザとやりとりするだけで、コピーの転送は伴わない場合は、伝達では ない。

対話的なユーザインターフェースが「『適切な法的告知』」(Appropriate Legal Notices)を表示するという場合、そのインターフェースは (1)適切な 『コピーライト』告知を表示し、(2)ユーザに対して、その作品には何の保証も ない(別途保証が提供されている場合は除く)ということ、ライセンシーはその 作品を本許諾書の下で伝達できるということ、そして本許諾書のコピーを見る にはどうしたらよいかということを便利かつ顕著に視認できるような機能を含 むものとする。もしインターフェースが、メニューのようなユーザコマンドや オプションの一覧を表示するならば、その一覧中には上記の基準を満たすよう なアイテムが目立つように含まれていなければならない。

1. ソースコード

ある作品の「ソースコード」(source code)とは、その作品に改変を加えるに当 たって好ましいと考えられる形式のことである。「オブジェクトコード」 (object code)とは、作品がとりうるソースコード以外の形式すべてを意味する。

「標準インターフェース」(Standard Interface)とは、標準化団体として認知 された組織によって定義された公式な標準か、ある特定のプログラミング言語 向けに指定されたインターフェースの場合には、その言語を利用する開発者の 間で広く使われているインターフェースのことを指す。

実行可能な作品の「『システムライブラリ』」(System Libraries)とは、 (a)「主要コンポーネント」(Major Component) の頒布物に通常含まれるが、そ の主要コンポーネントの一部ではなく、かつ(b)作品をその「主要コンポーネン ト」といっしょに利用することを可能にする、あるいは公衆にとってソースコー ド形式で利用可能な実装がひとつは存在する標準インターフェースを提供する ためにのみ機能するものすべてを意味する。ただし、全体としての作品そのも のは除く。ここでいう「主要コンポーネント」とは、実行可能な作品がその上 で実行されるある特定のオペレーティングシステム(そういったものが必要なら ば)の主要で不可欠な一部分(カーネルやウィンドウシステムなど)、あるいはそ の作品を作成するのに使われるコンパイラ、実行するのに使われるオブジェク トコードインタプリタなどを意味する。

オブジェクトコード形式の作品に「『対応するソース』」(Corresponding Source)とは、その作品を生成、インストール、(実行可能な作品に関しては)オ ブジェクトコードを実行、または作品を改変する上で必要とされるソースコー ドのすべてを意味する。この場合、そうした活動をコントロールするためのス クリプトは『対応するソース』に含まれるが、その作品にとっての『システム ライブラリ』や、先ほど列挙した活動を行う上で改変されることなく利用され るものの作品の一部ではない、汎用のツールや一般的に利用可能なフリープロ グラムは除外される。例えば『対応するソース』には、その作品のソースファ イルと連携するインターフェース定義ファイルに加え、共有ライブラリや動的 にリンクされた下位プログラムと作品のその他の部分との間での親密なデータ のやりとりやコントロールフローなどのために、その作品が設計上明確に必要 とする、そうした共有ライブラリや下位プログラムのソースコードなどが含ま れる。

『対応するソース』には、ユーザが『対応するソース』の他の部分から自動的 に再生成できるものを含む必要はない。

ソースコード形式の作品にとっての『対応するソース』とは、その作品そのも のである。

2. 基本的な許可

本許諾書の下で認められるすべての権利は、『プログラム』に主張される『コ ピーライト』の条項に基づき授与されるものであり、ここで述べられた条件が 満たされている限り覆すことはできない。本許諾書は、改変されていない『プ ログラム』をあなたが無制限に実行することを許可し、明示的に確約する。 『保護された作品』を実行することから得られた出力結果は、その出力内容が 『保護された作品』を構成する場合のみ本許諾書で保護される。本許諾書は、 あなたが有するフェアユースまたはその同等物の権利を、『コピーライト』法 規によって提供される通りに承認する。

その他の状況においてあなたのライセンスが有効である限り、『保護された作 品』の、伝達を伴わない作成、実行、および普及は無条件に行うことができる。 他者にあなた専用の改変を行わせる、あるいは他者にあなたがそういった作品 を実行するための機能を提供させるということが唯一の目的であれば、『保護 された作品』を他者に伝達することができる。ただしその場合、あなたが『コ ピーライト』を支配していない部分すべての伝達に関しては、本許諾書の条項 に従わなければならない。従って、あなたのために『保護された作品』を作成 または実行する者は、専らあなたのためだけに、あなたの監督と支配の下で、 あなたとの関係の範囲外ではあなたが『コピーライト』を有する一部分のいか なるコピーをも作成することを禁止するという条件の下で行わなければならな いということになる。

上記以外のあらゆる状況下においては、伝達は以下で述べる条件の下でのみ許 可される。再許諾は認められない。下記第10項により、再許諾は必要ないから である。

3. ユーザの法的権利を、技術的保護手段の回避を禁ずる法律から守る

『保護された作品』は、 1996年12月20日に採択されたWIPO著作権条約第11項の 下での義務を満たす適用可能な法のいずれか、あるいはそれに類似の法が、回 避の禁止または制限の対象として規定する、「効果的な技術的手段」 (effective technological measure)の一部として見なされてはならない。

(訳注: WIPO著作権条約については、http://www.cric.or.jp/db/article/wch.html 等を参照せよ。)

あなたが『保護された作品』を伝達する場合、『保護された作品』に関して本 許諾書の下で権利を行使することにより、技術的手段の回避に影響が出る範囲 において、そのような手段の回避を禁じるいかなる法的権力をも放棄すること になる。また、あなたはその作品のユーザに対して、技術的手段の回避を禁じ るためにあなたや第三者の法的権利を強制するための手段として、その作品の 動作や改変を制限するいかなる意図も否認することになる。

4. 一字一句忠実なコピーの伝達

あなたは、自分が受領した『プログラム』のソースコードと一字一句同じコピー であれば、いかなる媒体でも伝達することができる。ただしその場合、あなた はそれぞれのコピーにおいて、目立つように、かつ適切な形で、ふさわしい 『コピーライト』告知を掲載しなければならない。すなわち、本許諾書と、下 記第7項に従い追加された非許可的条項のすべてがそのコードに適用される旨の 告知を掲載し、あらゆる保証が存在しない旨の告知をすべてそのまま保全し、 かつ『プログラム』の受領者すべてに、『プログラム』といっしょにこの許諾 書のコピーを与えなければならない。

あなたは、自分が伝達するコピーのそれぞれに関していかなる価格を付けても 良いし、無料で伝達しても構わない。また、報酬を取ってサポートや保証保護 (warranty protection)を提供しても良い。

5. 改変されたバージョンのソースの伝達

あなたは、『プログラム』を基にした作品、あるいはそうした作品を『プログ ラム』から作成するための改変点を、上記第4項の規定に従ってソースコード形 式で伝達することができる。ただしその場合、あなたは以下に示す条件のすべ てを満たさなければならない:

a) 作品には、あなたが作品を改変したということと、改変に関連した日時 を記述した告知を目立つように載せなければならない。

b) 作品には、それが本許諾書と、下記第7項に従って追加された条件すべ ての下で公開されていることを記述した告知を目立つように載せなければな らない。この条件は、上記第4項における「告知をすべてそのまま保全」する ための条項を改変する。

c) 作品の全部分を、総体として、コピーを所有するに至った人全員に、本 許諾書の下でライセンスしなければならない。そこで、本許諾書は、本許諾 書第7項に基づく適用可能な追加的条項のすべてとともに、作品全体に、すな わちその全部分に、それらがどのようにパッケージされているかに関わらず 適用されることになる。本許諾書は、これ以外のやり方には作品をライセン スする許可を与えないが、あなたが本許諾書以外で別途許可を得ていた場合 には、それによって得られた許可まで無効とするものではない。

d) 改変された作品が対話的なユーザインターフェースを有する場合、それ らのインターフェースは『適切な法的告知』を表示しなければならない。た だし、『プログラム』に元々『適切な法的告知』を表示しない対話的なイン ターフェースがある場合、あなたの作品で表示するようにする必要はない。

一巻の記憶装置の中か頒布媒体上で、『保護された作品』と、本来『保護され た作品』の拡張ではなく、『保護された作品』とより大規模なプログラムを形 成するような形で結合されているわけでもないその他の分離かつ独立した作品 とをまとめた編集物は、編集作業とそれに由来する『コピーライト』が、個々の作品 が許可する範囲を越えて編集物のユーザの作品へのアクセスや法的権利を制限 するのに使われない限り、「集積物」(aggregate)と呼ばれる。単に『保護され た作品』を集積物に含めるだけでは、その集積物の他の部分にまで本許諾書が 適用されるということにはならない。

6. ソース以外の形式における伝達

あなたは、オブジェクトコード形式の『保護された著作物』を、上記第4項およ び第5項の規定に従って伝達することができる。ただしその場合、あなたは機械 読み取り可能な『対応するソース』も本許諾書の条件に従って、以下のいずれ かの方法で伝達しなければならない。

a) オブジェクトコードを物理的製品(物理的頒布媒体を含む)で、あるいは それに組み込んで伝達する。その際、『対応するソース』を、ソフトウェア のやりとりで一般的に使われる耐久性のある物理的媒体に固定していっしょ に頒布する。

b) オブジェクトコードを物理的製品(物理的頒布媒体を含む)で、あるいは それに組み込んで伝達する。その際、最低でも3年間、あるいはあなたがその 製品モデルに補修用部品やカスタマーサポートを提供する限り有効な、書面 による申し出を添付する。その申し出には、(1) オブジェクトコードを所有 する者すべてに対して、その製品に含まれるソフトウェアのうち本許諾書で 保護されるものすべてに『対応するソース』のコピーを、ソフトウェアのや りとりで一般的に使われる耐久性のある物理的媒体で頒布する旨を記載する。 その際、物理的にこのソースの伝達を行うのにかかる正当なコスト以上の価 格を要求してはならない。あるいは、(2) 『対応するソース』を無料でネッ トワークサーバから複製するためのアクセスを提供する旨を記載する。

c) オブジェクトコードの個々のコピーを、対応するソースを提供するという 書面による申し出のコピーといっしょに伝達する。この選択肢は特別な場合、 かつ非商業的な場合のみに、そしてあなたがオブジェクトコードを上記小項 6bに合致した申し出といっしょに受領した場合にのみに認められる。

d) オブジェクトコードを、指定の場所から複製するためのアクセスを提供 することによって伝達し、『対応するソース』に対しても同じ場所を通じて 同じ方法で複製するための同等のアクセスを提供する。伝達は無料でも手数 料を課しても構わないが、『対応するソース』に対して追加的な課金を行っ てはならない。受領者に対して、『対応するソース』をオブジェクトコード といっしょに複製することを義務づける必要はない。オブジェクトコードの 複製元がネットワークサーバの場合、対応するソースは同等の複製機能をサ ポートする異なったサーバ(あなたか第三者が運営)上にあっても良い。その 場合、オブジェクトコードの傍らに、『対応するソース』はどこで見つけら れるかを明確に指示しておかなければならない。どのサーバが『対応するソー ス』をホストするかに関わらず、あなたは『対応するソース』がこれらの条 項を満たすために必要なかぎり利用可能であることを保証する責任がある。

e) オブジェクトコードをピア・ツー・ピア伝送を使って伝達する。ただし この場合、あなたは上記小項6dに従い、その作品のオブジェクトコードと 『対応するソース』がどこで一般公衆に無料で提供されるのかということを 他のピアに知らせておかなければならない。

オブジェクトコードの分離した一部であり、そのソースコードが『対応するソー ス』から『システムライブラリ』として除外されているものは、オブジェクト コード作品を伝達する場合に含める必要はない。

「ユーザ製品」(User Product)とは、(1)「コンシューマ製品」(consumer product)、すなわち、個人、子供、あるいは家庭用に通常使用される有形個人 資産すべてか、あるいは(2)居住所における導入を目的に設計ないし販売される ものすべてを指す。ある物品がコンシューマ製品であるかを決定する際疑義が ある場合には、極力範囲を広げる方向で決定されるべきである。ここで、ある 特定のユーザによって受領されたある特定の製品にとっての「通常使用」 (nomally used)とは、その種の製品において典型的な、あるいは一般的な利用 のことであり、その特定のユーザが置かれた状況や、その特定のユーザがその 製品を実際にどう使っているか、どう使うことを予期しているか、あるいは予 期されているかとは関係ない。その製品に相当な商業的、産業的または非コン シューマ的な利用法があったとしても、そうした利用がその製品の唯一重要な 利用形態を代表するものでない限り、その製品はコンシューマ製品である。

ユーザ製品の「『インストール用情報』」(Installation Information)とは、 ユーザ製品内の『保護された作品』に関して、『対応するソース』の改変され たバージョンから得られる『保護された作品』の改変されたバージョンを、イ ンストール、実行するために必要な手法、手順、認証キーやその他の情報すべ てを意味する。この情報は、改変されたオブジェクトコードの継続的な動作が、 改変が為されたということによってのみ拒否されたり妨害されることが決して ないことを保証するのに十分なものでなければならない。

本節の下において、作品をユーザ製品の内で、またはユーザ製品と共に、ある いは特にユーザ製品での利用を念頭においてオブジェクトコードで伝達し、ま たその伝達がユーザ製品の受領者への所有と利用の権利の永遠ないし有期の移 転の一部として起こる場合(移転がどのように行われるかは問わない)、この条 項の下で『対応するソース』は『インストール用情報』と共に提供されなけれ ばならない。しかしこの条件は、あなたと第三者のいずれもが改変されたオブ ジェクトコードをユーザ製品にインストールする能力を有していない際には適 用されない(例えば、作品がROMにインストールされている場合)。

『インストール用情報』を提供する条件には、受領者によって改変ないしイン ストールされた作品、あるいはそうした作品が改変ないしインストールされた ユーザ製品に対し、サービスや保証、アップデートを提供しつづけるという条 件は含まれない。改変自体がネットワークの運用に実質的かつ有害な影響をも たらし、ネットワークを介したコミュニケーションのプロトコルや規則に違反 する場合には、ネットワークアクセスを拒否しても構わない。

伝達される『対応するソース』や提供される『インストール用情報』が本節を 満たすためには、それらが公に文書化された形式で(かつ公衆に対してソースコー ド形式で利用可能な実装とともに)提供されなければならない。この場合、これ らの圧縮展開や読み込み、複製に特別なパスワードやキーを必要としてならな い。

7. 追加的条項

「追加的許可」(Additional permissions)とは、本許諾書が課す条件に一つか それ以上の例外を設けることにより、本許諾書の条項を補足する条項のことで ある。『プログラム』全体に適用可能な追加的許可は、適用可能な法の下でそ れらが有効である限り、あたかもそれらが本許諾書に含まれているかのように 扱われなければならない。追加的許可が『プログラム』の一部にのみ適用され る場合、その部分に関してはそういった追加的許可の下で別途利用可能だが、 『プログラム』全体としては追加的許可に関わりなく本許諾書によってのみ管 理される。

あなたが『保護された作品』のコピーを伝達する場合、あなたは追加的許可を そのコピー、あるいはその一部から削除することを選択できる(追加的許可は、 あなたが作品をある種の形で改変する際には、そうした許可自身の削除を要求 するような形で書かれてもよい)。あなたは、あなたによって『保護された作品』 に追加され、あなたが適切な『コピーライト』許可を有するか、与えることが できる限り、その一部分に追加的許可を設定することができる。

本許諾書の他の条件に関わらず、あなたが『保護された作品』に追加した一部 分について(その部分の『コピーライト』保有者らによって正式に許可されてい れば)、本許諾書の条項を、以下に示す条項で補足することができる:

a) 本許諾書第15項および第16項の条項とは異なった形で保証の否認や責任 の限定を主張する。あるいは、

b) 追加した一部分において、明示的で妥当な法的告知や作者特定の保全、 またはそれを含む作品において『適切な法的告知』の表示を要求する。ある いは、

c) 追加した一部分の出自を不当に表示することを禁じるか、あるいはその ような一部分の改変されたバージョンはオリジナルのバージョンとは異なっ ているということを適切な方法で印づけることを要求する。あるいは、

d) その一部分のライセンサーや作者の名前を、宣伝目的で利用することを 制限する。あるいは、

e) 商品名や商標、サービスマークの利用に関して、商標法に従い権利を授 与することを拒否する。あるいは、

f) その一部分(あるいはその改変されたバージョン)を伝達する者に、受領 者への責任に関して契約上の引き受けがあり、そうした責任が直接的にそう いったライセンサーや作者にまで課せられる場合、その一部分のライセンサー や作者の免責を要求する。

他の非許可的な追加的条項は下記第10項が意味するところの「さらなる権利制 限」(further restrictions)とみなされる。あなたが受領した『プログラム』、 あるいはその一部に、それが本許諾書とともにさらなる権利制限である条項に よっても管理されていると述べた告知が含まれている場合には、あなたはそう いった条項を削除して構わない。あるライセンス文書にさらなる権利制限がふ くまれているが、しかし本許諾書の下での再許諾や伝達を許可しているならば、 あなたはそのライセンス文書の条項によって管理されている一部分を『保護さ れた作品』に追加することができる。ただしその場合、さらなる権利制限はそ のような再許諾や伝達では無効としなければならない。

あなたが本節に従って『保護された著作物』に条項を追加した場合、あなたは 関係するソースファイル中に、それらのファイルに適用される追加的条項に関 する声明、あるいは適用可能な条項を見つけることができる場所を示す告知を 掲載しなければならない。

追加的条項は、それが許可的であろうと非許可的であろうと、別途書面化され たライセンスという形式で述べられてもよいし、本許諾書への例外として述べ られてもよい。上記の要件はどちらの場合でも適用される。

8. 終了

あなたは『保護された作品』を、本許諾書の下で明示的に提供されている場合 を除いて、普及、または改変してはならない。それ以外に『保護された作品』 を普及、または改変しようとする試みはすべて無効であり、本許諾書の下であ なたに認められた権利(下記第11項の第3段落に従い授与されたパテントライセ ンスすべてを含む)を自動的に終了させることになる。

しかしながら、あなたが本許諾書への違反をすべて中止するならば、あなたが ある特定の『コピーライト』保有者から得たライセンスは、(a)その『コピーラ イト』保有者が明白かつ決定的にあなたへのライセンスを終了させるか、ある いはさせないまでは暫定的に、(b)その『コピーライト』保有者が、あなたに対 し違反について、何らかの正当な手段によりライセンス停止後60日以内に通知 することができなかった場合には永続的に、回復される。

加えて、あなたがある特定の『コピーライト』保有者から得たライセンスは、 その『コピーライト』保有者があなたに対して違反を何らかの正当な手段で通 知し、それより前にその『コピーライト』保有者から、(当該作品に限らずその 『コピーライト』保有者の作品のいずれかに関して)本許諾書に関する違反の通 知を受領したことがなく、さらにあなたがその通知を受領してから30日以内に 違反を正した場合、永続的に回復される。

本節に従いあなたの権利が終了した場合でも、本許諾書に従ってあなたからコ ピーや権利を受領した当事者が得た許諾は終了しない。あなたの権利が終了さ れ、永続的に回復されなかった場合には、あなたは同じライセンス対象に関し 下記第10項に従って新たにライセンスを受領する資格を失うものとする。

9. コピーの所有に必要とされない受諾

あなたは、『プログラム』のコピーを受領あるいは実行するために本許諾書を 受諾する必要はない。コピーを受領するためにピア・ツー・ピア伝送を使った 結果としてのみ発生する『保護された作品』の付随的な普及も、同様に受諾を 必要としない。しかしながら、他の場合においては、本許諾書以外にあなたに 対して『保護された作品』の普及や改変をする許可を認めるものはない。これ らの行為は、本許諾書を受諾しない限り『コピーライト』を侵害することにな る。そこで、『保護された作品』を改変あるいは普及することにより、あなた はそうした行為を行うために本許諾書を受諾したということを示したことにな る。

10. 下流の受領者への自動的許諾

あなたが『保護された作品』を伝達するたびに、受領者は自動的にオリジナル のライセンサーから、本許諾書に従いその作品を実行、改変、普及するライセ ンスを得る。なお、あなたには第三者が本許諾書に従うことを強制する責任は ない。

「主体取引」(entity transaction)とは、ある組織そのもの、ないしその組織 の実質的に全ての資産の支配権が移転するか、あるいは組織の細分化や合併が 行われるような取引を指す。もし主体取引の結果として『保護された作品』の 普及が起こった場合、作品のコピーを受領したそれぞれの取引当事者は、利害 関係のある当事者の先任者から、その先任者が前段落に従って有する、あるい は与えることができる、その作品に関するライセンスもまたすべて受領する。 加えて個々の取引当事者は、利害関係のある先任者から、その先任者が有して いるか、適正な努力によって得ることが可能な限りにおいて、その作品の『対 応するソース』の所有権も得る権利を有する。

あなたは本許諾書の下で授与された、あるいは確約された権利の行使に対して、 本許諾書が規定する以上のさらなる権利制限を課してはならない。たとえば、 あなたはライセンス料、ロイヤルティや他の料金を、本許諾書の下で認められ ている権利の行使に関して課してはならない。また、あなたは『プログラム』 やその一部の作成、利用、販売、販売の申し出、取り込みによって何らかのパ テントクレームが侵害されたとして、訴訟(訴訟における反対請求ないし反訴を 含む)を開始してはならない。

11. 特許

「貢献者」(contributor)とは、本許諾書の下で『プログラム』、あるいは『プ ログラム』が基にした作品を利用することを正式に許可した『コピーライト』 保有者のことを指す。従って、そのようにしてライセンスされた作品は、貢献 者による「貢献者バージョン」(contributor version)と呼ばれる。

ある貢献者の「必須パテントクレーム」(essential patent claims)とは、すで に取得しているか、あるいは今後取得する見込みがあるため、その貢献者が現 在所有ないし支配していると言える特許のうち、貢献者バージョンに対して、 本許諾書で許可されているような作成や利用、販売といった何らかの形の行為 を行うことによって侵害される可能性があるパテントクレームのすべてを意味 する。ただし、貢献者バージョンをさらに改変した結果としてのみ侵害される ようなクレームは含まれない。この定義において、「支配」には本許諾書が課 す条件と整合的なやり方で特許の再許諾を認める権利も含まれる。

個々の貢献者はあなたに対して、その貢献者の必須パテントクレームに関し、 あなたがその貢献者バージョンの内容を作成、利用、販売、販売の申し出、取 り込み、その他実行、改変、普及するために必要な、非排他的で全世界的に有 効、かつロイヤルティフリーのパテントライセンスを授与する。

以下の3段落において「『パテントライセンス』」とは、ある特許を実施しない という明示的な協定やコミットメントのすべてを指す(例えば、ある特許の実施 に対する明示的な許可や、特許侵害訴訟を提起しないという誓約など)。そのよ うな『パテントライセンス』をある当事者に「授与」するとは、その当事者と 特許を実施しないという協定やコミットメントを結ぶことを意味する。

もしあなたが、『保護された作品』の伝達を、それがある『パテントライセン ス』に依存しており、よってその作品の『対応するソース』は、すべての人に とって、公衆が利用可能なネットワークサーバや他の容易にアクセス可能な手 段を通じ、無料かつ本許諾書に従って複製可能ではないということを知りなが ら行うならば、あなたは (1)『対応するソース』も同様に利用可能にするか、 (2)この特定の作品に関して『パテントライセンス』から得られる便益を自ら剥 奪するか、あるいは(3)下流の受領者に対しても、本許諾書の条項と整合的な形 で、『パテントライセンス』が拡大されるように計らうかのいずれかを行わな ければならない。ここで「『パテントライセンス』に依存するのを知りながら」 というのは、あなたが『保護された作品』をある国で伝達すること、あるいは あなたの受領者が『保護された著作物』をある国で利用することが、『パテン トライセンス』を授与されない限り、その国において、あなたにとってそれが 有効だと信じるだけの理由がある一つかそれ以上の同定可能な特許を侵害する ということを実際に知っているということである。

ある一対一の取引や協定に基づき、あるいは関連して、あなたが『保護された 作品』の伝達、または伝達によって引き起こされる普及を行い、その際『保護 された作品』を受領した一部の当事者に対して、『保護された作品』の特定の コピーの利用、普及、改変、または伝達を正式に許可するような『パテントラ イセンス』を授与するならば、あなたが授与した『パテントライセンス』は 『保護された作品』やそれを基にした作品のすべての受領者にまで自動的に拡 大されることになる。

ある『パテントライセンス』が「差別的」(discriminatory)であるとは、本許 諾書の下で明確に認められた一つかそれ以上の権利を、『パテントライセンス』 がカバーする範囲内に含まなかったり、そうした権利の行使を禁じたり、ある いは権利を行使しないことを条件として課すようなものである場合を指す。あ なたを一方の当事者とし、ソフトウェアの頒布を生業とする第三者との間で、 あなたは第三者に対し、作品を伝達する活動の程度に基づいて支払いを行う一 方、第三者は、あなたから『保護された作品』を受領したすべての当事者に対 して「差別的」な『パテントライセンス』を、(a)あなたが伝達した『保護され た作品』のコピー(またはそうしたコピーから作成されたコピー)に対して、ま たは(b)『保護された作品』を含む特定製品や編集物を、主要な、あるいは関連 した対象として授与する、というような協定を結んでいる場合、あなたは『保 護された作品』を伝達してはならない。ただし、あなたがそのような協定を締 結したり、『パテントライセンス』を授与されたのが2007年3月28日より以前で ある場合は本節の例外とする。

本許諾書に含まれる一切の記述は、適用可能な特許法の下であなたが利用可能 な暗黙のライセンス、その他侵害への防御手段を排除したり制限したりするよ うに解釈されてはならない。

12. 他者の自由を明け渡してはならない

何らかの条件(裁判所の指令や協定など)があなたに課せられ、それが本許諾書 の条件と矛盾したとしても、あなたが本許諾書の条件を免れることにはならな い。あなたが、『保護された作品』を、本許諾書が課す義務と他の関連した義 務の両方を同時に満たすような形で伝達できないのであれば、結果としてあな たがそれを伝達することは全く不可能ということになる。例えばあなたが、自 分が『プログラム』を伝達した人々がさらに伝達を行う場合には、彼らからロ イヤルティを徴収する、というような義務を負う条項に同意していた場合、あ なたがそういった条項と本許諾書の両方を満たすには、『プログラム』の伝達 を完全に止めてしまうしかないだろう。

13. GNU Affero 一般公衆利用許諾書との利用

本許諾書に含まれる他の条件に関わらず、あなたには、『保護された作品』を GNU Affero 一般公衆利用許諾書バージョン3の下で許諾された作品とリンクま たは結合して単一の結合物とし、その結果物を伝達する許可が与えられる。本 許諾書の条項は『保護された作品』である部分に関してはそのまま適用される が、結合物それ自体としては、GNU Affero 一般公衆利用許諾書の第13項が規定 する、ネットワークを介したやりとりに関する特殊な条件も適用されることに なる。

(訳注: 訳出時点では、GNU Affero GPLは改定作業が依然続いており、確定バー ジョンはリリースされていない。 http://gplv3.fsf.org/agplv3-dd2-guide.htmlを参照せよ。)

14. 本許諾書の改訂されたバージョン

フリーソフトウェア財団は、改訂された、あるいは新しいバージョンの GNU 一 般公衆利用許諾書を折りに触れて発行することができる。そのような新バージョ ンは、その精神においては現在のバージョンと似たものになるだろうが、細部 については新たな問題や懸念を解決すべく異なるものになるだろう。

それぞれのバージョンには、見分けがつくようなバージョン番号が振られてい る。『プログラム』に、ある特定のバージョン番号が振られたGNU 一般公衆利 用許諾書「かそれ以降のバージョンのいずれか(or any later version)」が適 用されると指定されていた場合、あなたは指定された番号のバージョンか、そ れ以降にフリーソフトウェア財団によって発行されたいずれかのバージョンの どちらの利用条件に従うかを選ぶことができる。『プログラム』が本許諾書の バージョン番号を指定していなかった場合には、あなたはフリーソフトウェア 財団がそれまでに発行したバージョンの中からどれを選択しても構わない。

(訳注: 日本語訳のバージョンは日付で管理している。冒頭を見よ。)

『プログラム』において、GNU 一般公衆利用許諾書の将来のバージョンのうち どれが適用されうるかは代理人が決定できる、と指定されていた場合、その代 理人が、あるバージョンを受諾すると述べた公的な声明は、あなたに対し、そ の『プログラム』に関してそのバージョンのGNU GPLを選ぶことを永続的かつ正 式に許可するのと等しい。

本許諾書の今後のバージョンでは、あなたに追加的な、または従来とは異なっ た形での許可を与えるかもしれない。しかしながら、作者や『コピーライト』 保有者に対し、あなたが以降のバージョンに従うことを選んだ結果として、追 加的な義務が課せられることはない。

15. 保証の否認

『プログラム』には、適用可能な法で許可されている範囲において何 の保証もない。書面で述べられていない限り、『コピーライト』保有者やその 他の当事者は『プログラム』を「あるがまま(as is)」で、明示的、暗示的を問 わず、いかなる種類の保証もなく提供する。この保証には、商用可能性や特定 目的への適合性の暗黙的保証が含まれるが、これらに限定されない。『プログ ラム』の質や性能に関するリスクはすべてあなたに帰属する。『プログラム』 に問題があると判明した場合、あなたは必要なすべての対応、補修、修正にか かる費用を負うものとする。

16. 責任の限定

適用可能な法において義務づけられるか、書面による同意がない限り、 『コピーライト』保有者あるいはその他『プログラム』を上記で許可された通 りに改変あるいは伝達する当事者は、たとえそうした保有者や他の当事者が損 害が発生する可能性について事前に通知されていたとしても、あなたに対して 損害賠償責任を有することはない。ここでいう損害には、『プログラム』の利 用あるいは利用できないことから発生した一般的、特殊的、偶然的、必然的な 損害のすべてが含まれる(データの消失やデータの不正確な解釈、あなたや第三 者によって被った、あるいは『プログラム』が他のプログラムといっしょにう まく動作しなかったために引き起こされた損害などが含まれるが、これらに限 定されない)。

17. 第15項と第16項の解釈について

上記のような保証の否認や責任の限定が、特定国内においてそういった条項が 指定する通りの法的効力を持ち得ない場合、再審裁判所は、『プログラム』に 関連したすべての民事責任の絶対的棄権に最も近く肉薄する国内法を適用すべ きである。ただし、報酬の見返りとして責任の保証や引き受けが『プログラム』 のコピーに付随する場合は除く。

利用条件はここまで

以上の条項をあなたの新しいプログラムに適用する方法

あなたが新たなプログラムを開発したとして、公衆によってそれが利用される 可能性を最大限高めたいならば、そのプログラムをフリーソフトウェアとし、 本許諾書の条項の下で誰でも再頒布ないし変更できるようにするのが最善の道 です。

そうするためには、プログラムに以下のような告知を付け加えてください。そ の場合、保証が除外されているということを最も効果的に明言するため、それ ぞれのソースファイルの冒頭に告示を付け加えるのが最も安全です。少なくと も、「Copyright」から始まる行と、告知全文がある場所へのポインタだけは各 ファイルに含めておいてください。

<one line to give the program's name and a brief idea of what it does.>

Copyright (C) <year> <name of author>

This program is free software; you can redistribute it and/or modify it under the terms of the GNU General Public License as published by the Free Software Foundation; either version 3 of the License, or (at your option) any later version.

This program is distributed in the hope that it will be useful, but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. See the GNU General Public License for more details.

You should have received a copy of the GNU General Public License along with this program. If not, see <http://www.gnu.org/licenses/>.

(訳:

<プログラムの名前と、それが何をするかについての簡単な説明を1行程度。>

Copyright (C) <年> <作者の名前>

このプログラムはフリーソフトウェアです。あなたはこれを、フリーソフ トウェア財団によって発行されたGNU 一般公衆利用許諾書(バージョン3か、 それ以降のバージョンのうちどれか)が定める条件の下で再頒布または改変 することができます。

このプログラムは有用であることを願って頒布されますが、*全くの無保証 *です。商業可能性の保証や特定目的への適合性は、言外に示されたものも 含め、全く存在しません。詳しくはGNU 一般公衆利用許諾書をご覧くださ い。

あなたはこのプログラムと共に、GNU 一般公衆利用許諾書のコピーを一部 受け取っているはずです。もし受け取っていなければ、<http://www.gnu.org/licenses/> をご覧ください。

)

電子や紙のメールであなたに問い合わせる方法についての情報も書き加えましょ う。

プログラムが端末で対話的に機能するものならば、対話モードで起動した際に 以下のような短い告知が出力されるようにしてください:

<program> Copyright (C) <year> <name of author>

This program comes with ABSOLUTELY NO WARRANTY; for details type `show w'. This is free software, and you are welcome to redistribute it under certain conditions; type `show c' for details.

(訳:

<プログラム名> Copyright (C) <年> <作者の名前>

このプログラムは*全くの無保証*で提供されます。詳しくは「show w」と タイプして下さい。これはフリーソフトウェアであり、ある条件の下で再 頒布することが奨励されています。詳しくは「show c」とタイプして下さ い。

)

ここで、仮想的なコマンド「show w」と「show c」 は一般公衆利用許諾書の適 切な部分を表示するようになっていなければなりません。もちろん、あなたの プログラムのコマンドは例と違っていてもかまいません。GUIインターフェース ならば、代わりに「…について」ボックスを使うのも良いでしょう。

また、必要ならばあなたは、(プログラマーとして働いていたら)あなたの雇用 主、あるいは場合によっては学校に依頼して、そのプログラムに関する「著作 権放棄声明(copyright disclaimer)」に署名してもらうべきです。この点に関 するより詳しい情報や、GNU GPLを適用し、その条項に従うにはどうすればよい のかについては、<http://www.gnu.org/licenses/> をご覧ください。

GNU 一般公衆利用許諾書では、あなたのプログラムをプロプライエタリなプロ グラムに統合することを認めていません。あなたのプログラムがサブルーチン ライブラリならば、プロプライエタリなアプリケーションとあなたのライブラ リをリンクすることを許可したほうがより有益であると考えるかもしれません。 もしこれがあなたの望むことならば、この許諾書の代わりにGNU 劣等一般公衆利用許諾書を適用してください。ただしその前に、ぜひ <http://www.gnu.org/philosophy/why-not-lgpl.ja.html> をお読みください。